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ガスクロマトグラフ用検出器の種類

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ガスクロマトグラフ用検出器の種類

 化学機器分析として一般的なガスクロマトグラフですが、測定試料や測定目的に応じた装置の仕様組み合わせが重要となります。その選択肢のひとつに「検出器」があります。この検出器の種類とその特徴をご紹介します。

 

熱伝導度検出器 Thermal Conductivity Detector (TCD)

 カラム出口から熱容量の多い金属ブロック製のガス流路にフィラメントの検出素子が固定された構造をした検出器へ送られます。熱伝導率の大きいキャリアガスが流れている一定の状態に対して他の成分が入った時の温度上昇によってフィラメントの抵抗値上昇したことを電位差として検出する方法です。

 最大の特徴は検出可能な試料が幅広く、無機ガスも対応できます。しかし、他の検出器と比較して感度がさほど高くありません。

比較目安の検出下限 10ppm程度

 

水素炎イオン化検出器 Flame Ionization Detector (FID)

 カラム出口から水素を燃焼するノズルを通り、燃焼により発生したイオン電流を検出します。カラムから運ばれてきた成分がキャリアガスのみだと殆ど電流は流れませんが、他の成分が入ってくると燃焼によってイオンかが発生しこれを電流として検出される方法です。

 最大の特徴は殆どの炭化水素を高感度で検出することが可能であり、特に応答の直線性(ダイナミックレンジ)が9桁程度とかなり幅広いことです。しかし、炭素1個のカルボニル化合物には殆ど反応せず、ホルムアルデヒドは感度が低いです。またヘテロ原子が結合されている成分は検出が難しいと言われます。

比較目安の検出下限 0.1ppm程度

 

電子捕獲検出器 Electron Capture Detector (ECD)

 陽電極と陰電極に挟まれた検出器内にニッケル63という放射性同位体によりβ線を放出させ、このβ線とキャリアガスとを衝突させて熱電子が生じ両電極間に微小電流が流れます。キャリアガスと供に有機ハロゲンやニトロ化合物などの成分が含まれると熱電子が捕獲され陰イオンが生成し、これがキャリアガスの陽イオンと結合するためイオン電流が低下します。この電流変化を検出する方法です。

 最大の特徴は電気陰性度の大きいハロゲンやリンを含む化合物、ニトロ化合物、アルキル水銀に対し極めて高い感度を持ちます。しかし、放射性同位体物質を検出器内に使用するため取り扱いには非常に厳しい管理が必要となります。

比較目安の検出下限 0.1ppb程度

 

炎光光度検出器 Flame Photometric Detector (FPD)

 カラム出口から水素燃焼をするノズルを通り、キャリアガスと供に硫黄化合物、リン化合物、有機スズ化合物などが含まれると燃焼炎内でそれぞれ特有波長の光を発生します。発生した光は各干渉フィルターを通して光電子倍増管にて電気信号に変換して検出します。

 最大の特徴は有機・無機硫黄化合物、有機・無機リン化合物、有機スズ化合物など有害物質の高感度検出に有効なことです。しかし、目的の項目(S,P,Sn)ごとに干渉フィルターを交換する必要があります。

比較目安の検出下限値 10ppb程度

 

アルカリ熱イオン化検出器 Flame Thermionic Detector (FTD)

 カラム出口から水素燃焼をするノズルを出ると、電流を流したルビジウム塩付着コイルを通ります。キャリアガスと供に炭素—窒素結合(CN)を持つ化合物が含まれると、このコイルにて発生したルビジウムラジカルと反応しイオン化(CN-)がおこります。これをイオン電流として検出されます。

 有機窒素化合物やリン化合物を高感度で検出できるため窒素リン検出器Nitrogen Phosphoras Detector(NPD)とも呼ばれますが、リン化合物についてはFPD検出器の方が選択性は高いため主に有機窒素化合物検出に使用されます。

比較目安の検出下限値 有機窒素化合物で1ppb程度

 

 これらの他にも質量分析装置と組み合わせて検出するものや、光イオン化、化学発光を利用したものなど「測定項目に合わせる」、「高感度が必要」という様々な条件によって検出器を選択できます。

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